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会長あいさつ

会長あいさつ 新たな出発

会長 2013年4月をもって当会は公益社団法人として新たな出発をいたしました。基本構想から定款作成、公益認定、法人登記まで長い道のりを経て今日に至りましたことは会員の皆様を始め事務局、関係者のご尽力、ご理解とご協力の賜物とあらためて感謝を申し上げます。

 122年前の明治23年に私たちの会は医薬分業の達成を目的に組織されました。誰よりもそれを強く望んだのは薬局を経営する薬剤師たちです。先達は都道府県単位で組織をつくり地域の薬局単位で集金し、都道府県薬剤師会が活動資金を中央に集めて、政治力を最大化させてきました。これが薬局単位・ピラミッド型・三層構造の組織です。その甲斐あって昭和49年から医薬分業が始まり、現在に至っています。

  医薬分業に一定の成果を上げた時点で次なる課題は何か、という議論から私たちは構想を練りました。国際組織の提言に見るように、世界各国で薬剤師は職能の確立の為に動いています。Developing pharmacy practice WHO(世界保健機関)、薬局業務規範ガイドライン FIP(国際薬学連合)、地域薬局の青写真 欧州薬局団体連合 PGEU(The Pharmaceutical Group of the European Union)などがそれです。

 専門職として「職能」の確立を目指すならば、我々が働きかける相手は、政府や外部団体よりもむしろひとりひとりの構成員となります。専門家はお互いの約束として倫理を高め、良い行いを称賛し、悪い行いに対しては自ら懲罰を課すことで国民の信頼を勝ち取ることができます(国民の信託)。個々の薬剤師が、ある水準(長い目で見て国民の期待より上の水準)をクリアした結果、その業務を薬剤師に独占させることを許すと国家、国民に納得していただかねばなければなりません。新しい定款では、事業の第一番に「倫理に関する事業」を掲げました。また「生涯学習制度」により個々の薬剤師により高いハードルを設定し、それをクリアしてゆくシステムを用意しています。

  私たちは薬局の会でなく文字通り薬剤師の会に変わったわけですが、これは概念だけではなく、定款や諸規定における入退会の手続き、会員・会費の管理、総会や理事会の運営と言った事務手続きの変更であり、全国組織(日本薬剤師会)や県内の地域薬剤師会(これまでの支部)、政治団体(神奈川県薬剤師連盟)などとの関係にも影響します。新しい組織の考え方に従い独立した地域団体のために支部を統合、団体間の業務委託、公益目的事業を推進する補助金制度、会員会費管理システム、会費の直接請求と銀行口座引き落とし、支部を介さない情報・資材の配布、会員と直接つながるホームページなども取組みを進めて参ります。

  一方、開局薬剤師よりはるかに多い勤務者の視点からの取組みは「医薬分業」からさらに深化したものになります。公共とはなにか、専門職とはなにか、という基本的な問題に立ち返り、私たち自身の姿勢、課題の捉え方、政治や行政との関係も新しい段階進むことになります。

 薬学研究と倫理の問題、医療現場で不足する薬剤師養成の問題、高度化する医療現場で「専門薬剤師」をいかに活用するか、県民医療の向上にセルフメディケーションをどう生かすか、県民から信頼される「かかりつけ薬剤師」をいかに養成するか、国民が質の高い医療を受けられるよう持続可能な医療保険制度を堅持していくためどんな施策を提言できるか、国民の医薬品安全を守るために医薬品制度にどうコミットしてゆくか、薬害を繰り返さないために次の世代にどう伝えて行くか、国を超えて乱用される薬物にどのような対策をとるべきか、地域社会の再生と保健福祉医療にどうかかわるのかなど、従来とは比較にならぬほど、大胆かつきめ細かな施策活動が必要になると考えます。これらに関する具体的な事業を担うのは地域の薬剤師組織であり、地域薬剤師会の自立と活性化を図り、自主的な事業活動を支援するのが本会の役割と考えております。

  改革の全体像は膨大な仕事で、事務局をあげて取り組んでおりますが、細部にはまだまだ行き届かない点があり、みなさまにご迷惑をおかけしていることも十分に承知しております。

 昨年4月には待望の6年制の教育課程を修了した薬剤師が社会に出ました。ともあれ新たな仲間に加わった彼らと、迎え入れたすべての薬剤師が県民の保健衛生の向上に遺憾なくその能力を発揮することを祈念して、公益社団法人神奈川県薬剤師会の新たな出発です。

平成25年4月

公益社団法人 神奈川県薬剤師会

会 長  加 藤 昇 一