令和7年度
公益社団法人 神奈川県薬剤師会 事業計画
わが国の高齢化は年々進行しています。中でも令和7年(2025年)は、昭和22年~24年(1947~49年)生まれのいわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者になる年として以前から注目されてきました。
総務省の統計によれば、令和6年6月の時点ですでに全国民に占める後期高齢者の割合は16.6%、65歳以上の人口比に至っては29.2%に達しており、まさに「10人に3人が高齢者」という社会が現実のものとなっています。
一方で、近年のデジタル化の進展・技術進歩は目覚ましく、AI、メタバース等のデジタルテクノロジーは国民にとって急速に身近なものになりつつあります。
また、総務省の調査によれば令和5年(2023年)時点で個人でのスマートフォン保有割合は78.9%に達しており、その普及により国民の日常生活における利便性は大幅に向上しています。
こうした社会状況を背景に、国では医薬分野における様々な制度改正、規制改革の準備が進められており、次回の薬機法改正に向けて薬局機能や医薬品販売方法の見直しなどが検討されています。
神奈川県薬剤師会は、このような国の動向を注視しつつ、我々を取り巻く環境の変化に柔軟に対応していかなければなりません。
薬剤師・薬局が将来にわたって地域医療の一翼を担い、県行政等と連携しながら県民の健康増進、福祉、保健衛生の向上に寄与し続けることができるよう、本会には、限られた財源を有効に活用して真に必要な事業を進めること、無駄を省くこと、新たな会員獲得の努力を行うことなどを通じて今後も基礎体力を維持していくことが求められています。
そのためには、従来型の発想や手法にとらわれず、目標を的確に把握し、積極的にチャレンジしていく必要があります。
令和7年度(2025年度)は、こうした基本姿勢のもとで、引き続き本会の2大事業である「くすりと健康相談薬局制度」と「生涯学習認定制度」の着実な推進を図るとともに、将来を見据えた諸事業を展開します。
また、大規模地震や豪雨・暴風等の災害が近年多発していることから、行政と連携しながら本格的に災害対策に取り組みます。
具体的には、次に掲げる取組を重点的に推進していくこととします。
1 若手会員の確保及び本会活動の活性化を図るため、薬学部4年生~卒後3年目までの薬剤師を対象としたルーキーメンバー制度を本格実施し、将来本会の中核を担うことが期待される若手人材の確保に努めます。
また、会員メリットのアピール等を通じて、引き続き新規会員の確保・定着に努めます。
2 令和6年度に初めて薬科大学と共催した「かながわ薬剤師学術フォーラム」の成果を踏まえ、引き続き活気のある学術大会が開催できるよう検討を進めます。
3 「くすりと健康相談薬局」については、地域薬剤師会の協力を得ながら認定数の拡大を図り、当初設定した目標500薬局のうち、令和7年度は、既に認定を受けている265薬局に加えて、県内32エリアで少なくとも1薬局の新規認定を達成することを目指します。
4 薬剤師の質の向上を図るため「生涯学習認定制度」を引き続き推進し、研修の充実・拡大を図るとともに認定者をアピールし、また幅広く研修受講を促すことで認定薬剤師数の増を目指します。
5 神奈川県等と共催で薬物乱用防止の街頭キャンペーンを実施するとともに、学校薬剤師が中心となって県下の児童・生徒を対象とした薬物乱用防止教室を開催し、薬物乱用の撲滅を図るための啓発事業等を積極的に行います。
また、令和7年度に神奈川県が当番幹事県となる「第75回全国学校薬剤師大会」を成功させるよう取組を進めます。
6 委員会活動等を通じてエビデンスに基づく学術研究を推進し、薬剤師の研究能力の向上を図るとともに、地域社会が直面する保健・医療・福祉等の課題解決に結びつく具体の研究成果を示すことで、県民、行政、関連団体に対して薬剤師のプレゼンスを高めます。
7 県下一斉相談週間、くすりと健康すこやかフェア等、県下の薬剤師・薬局が参加可能な県民の健康増進及び福祉の向上に資する施策を、関係団体とも協力しながら展開します。
8 リスクマネジメントの取組を進め、プレアボイド報告の分析・評価を引き続き行うとともに、これまでに報告された多数の事例の共有化を図ります。
また、他県薬に先駆けて本会が具体の取組を進めている多重受診対策についても引き続き強化を図ります。
9 地震・豪雨等の大規模災害が発生した際、行政が設置する災害対策本部等に参集する「災害薬事コーディネーター」を養成するため、薬剤師の災害時における対応能力向上を図る研修を県と連携して実施します。
10 本会の財務基盤の中長期的な安定強化を図るため、研修会の参加費等について適正な水準を検討するとともに、大規模・単発の研修会の開催方法、受講者募集方法等について効率化を進めます。
11 本会の活動基盤である神奈川県総合薬事保健センターの長寿命化を図るため、引き続き空調設備更新を中心とした大規模修繕工事を実施します。
令和7年度事業体系図
令和7年度事業予算
令和6年度
公益社団法人 神奈川県薬剤師会 事業計画
3年以上の長きにわたって蔓延が続いてきた新型コロナウイルス感染症が、令和5年5月をもって感染症法上の5類に移行して以降、わが国の社会は徐々に平時モードに切り替わってきました。未曽有のコロナ禍をようやく「過去」としてとらえることができるようになりましたが、一方で、新たな社会課題は絶えず生まれています。
神奈川県薬剤師会では、これまでの経験を活かしながらこうした社会の変化に柔軟に対応し、従来型の発想や手法にとらわれず、公益社団法人として本会に求められている使命を積極的に果たすために更なる成果を上げる必要があります。
そのためにはまず、将来にわたって地域医療の一翼を担い、県民の健康増進、福祉、保健衛生の向上に寄与し続けることができるよう、限られた財源を有効に活用して真に必要な取組を進めること、無駄を省くこと、新たな会員獲得の努力を行うことなどを通じて、本会の基礎体力を維持していかなければなりません。
また、近年は数多くの法令改正、規制改革が実施され、我々を取り巻く状況は大きく変化しています。
このため、本会では時代の要請に合った事業を展開し、薬剤師・薬局がさらに存在意義を高めていくことができるよう、会員をサポートしていくことが必要です。
本会の2大事業である「くすりと健康相談薬局制度」と「生涯学習認定制度」を軸として、これらの着実な事業展開を図るとともに、先の薬機法改正による「住み慣れた地域で患者が安心して医薬品を使うことができるようにするための薬剤師・薬局のあり方の見直し」に盛り込まれた理念の実現と諸制度への円滑な対応に資する取組を積極的に進めなければなりません。
令和6年度の事業推進にあたっては、常に新しいことにチャレンジする精神を基本に据え、次に掲げる取組を重点的に推進していくこととします。
1 新規会員の確保及び本会活動の活性化を図るため、薬学部4年生~卒後3年目までの若手薬剤師を対象としたトライアル事業を引き続き実施し、令和7年度に予定されているルーキー会員制度(仮称)の本格実施に向けた準 備を進めるとともに、将来本会の中核を担うことになる若手人材の発掘に努めます。
またこの他にも、会員メリットのアピール等を通じて、新規会員の確保・定着に努めます。
2 これまで神奈川県病院薬剤師会との共催で開催してきた「かながわ薬剤師学術大会」については、その役割とあり方を見直し、会員にとってより有益なものとなるよう検討を進めます。
3 「くすりと健康相談薬局」については、地域薬剤師会の協力を得ながら認定数の拡大を図り、当初設定した目標500薬局のうち、令和6年度は、既に認定を受けている261薬局に加えて、県内32エリアで1薬局の新規認定を達成することを目指します。
また、かかりつけ薬剤師・薬局の機能をサポートしていくための取組も引き続き実施します。
4 薬剤師の質の向上を図るため「生涯学習認定制度」を引き続き推進し、研修内容の充実を図るとともに、新規取得だけでなく認定更新のしやすさにも配慮しながら、認定薬剤師数の増を目指します。
5 神奈川県等と共催で薬物乱用防止の街頭キャンペーンを実施するとともに、学校薬剤師が中心となって県下の児童・生徒を対象とした薬物乱用防止教室を開催し、青少年の間に増加しつつある薬物乱用の撲滅を図るための啓発事業等を積極的に行います。
6 委員会活動等を通じてエビデンスに基づく学術研究を推進し、薬剤師の研究能力の向上を図るとともに、地域社会が直面する保健・医療・福祉等の課題解決に結びつく具体の研究成果を示すことで、県民、行政、関連団体に対して薬剤師のプレゼンスを高めます。
7 県下一斉相談週間、くすりと健康すこやかフェア等、県下の薬剤師・薬局が参加可能な県民の健康増進及び福祉の向上に資する施策を、関係団体とも協力しながら展開します。
8 リスクマネジメントの取組を進め、プレアボイド報告の分析・評価を引き続き行うとともに、これまでに報告された多数の事例の共有化を図ります。
また、他県薬に先駆けて本会が具体の取組を進めている多重受診対策についても充実・強化を図ります。
9 本会の財務基盤の中長期的な安定強化を図るため、研修会の参加費等について適正な水準を検討するとともに、会費の徴収方法等についても効率化に向けた取組を進めます。
10 本会の活動基盤である神奈川県総合薬事保健センターの長寿命化を図るため、空調設備更新を中心とした大規模修繕工事を開始します。
令和6年度事業体系図
令和6年度事業予算