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令和7年3月9日に開催された臨時総会における会長候補者選挙を経て、同6月22日開催の通常総会において理事者として再任させていただいたことで、神奈川県薬剤師会第26代会長に就任いたしました。
これまで長年にわたり神奈川県薬剤師会の業務に携わってまいりました。その経験を踏まえたうえで、歴代の会長はじめ役員の諸先輩方が築かれた伝統を守りつつも、現代の情勢に応じた薬剤師会の運営を心掛けたいと思います。
令和7年度、国は医薬品提供体制の構築という大きな課題に対して動き出しました。これまで医薬品の提供は個々の薬局の努力によって維持してきたものでありましたが、さらに進化した医薬品提供の在り方としては、地域の薬局が力を合わせお互いに協力しながら対応することで、地域住民への医薬品提供ならびに薬剤師サービスの提供の質的向上が進むことになります。
この薬局間の協働の中心となる機能が地域薬剤師会に求められています。神奈川県薬剤師会は、県内すべての地域薬剤師会が地域の実情に応じた体制を整備する作業を全力でサポートすることとしています。
一方、日本薬剤師会は全国の都道府県薬剤師会と連携しながら地域薬剤師会への支援を継続しています。国と地域の間にある県薬剤師会は「つなぎ役」としての役目を遅滞なく果たさなくてはなりません。そのためには県内の各地域薬剤師会の皆様とのコミュニケーションを密にし、それぞれの地域の特色を活かした地域医薬品提供体制とはどのような形なのかを共に考えることが重要であります。
さらに本年は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」が5年ぶりに改正されました。今回の改正では現下の医薬品流通不安に対して医療用医薬品等の安定供給体制の強化等として「薬局開設者は、関係行政機関との連携等により、医療を受ける者に必要な薬剤及び医薬品の安定的な供給を図るとともに、当該薬局において薬剤師による前項の情報の提供が円滑になされるよう配慮しなければならない。」と明記されました。改正前の法文では関係行政機関との連携については記載されていなかったところから、今後は神奈川県との連携がさらに図りやすくなりました。薬局への医薬品供給については、薬局と卸売業者の努力のみでは改善困難であり、そこに関連行政機関が連携して取り組むことが地域の医薬品流通改善につながることを強く意識して神奈川県と協働したいと思います。
これらのように、薬剤師会が目指すべきところは簡明な部分も多いですが、その反面他団体との調整や国政の後来によっては予想外な趨勢となることも否定できません。
県民にとって薬剤師・薬局が真に寄り添う存在となるには長途となるやもしれませんが、できることを惜しまずに遂行したいと思います。
令和7年7月
公益社団法人 神奈川県薬剤師会
会 長 長 津 雅 則